その起源は紀元前1世紀にまで遡ることができるというヴェローナの町。シンボルの円形競技場は、夏の野外オペラの舞台として知られるアレーナ・ディ・ヴェローナ。そしてこの町は、その覇権を巡って支配層の間では諍いが絶えなかった過去を持ち、それを題材に描かれたのがシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」だといわれています。

東西の交通の要所としても栄え、ルネサンス期にスカラ家の元で、その後はヴェネツィア共和国の一員として大きな発展を遂げたヴェローナは、美しい町並みを保ちつつ軍事的な面でも特筆すべき強固さを持った異色の都でもあります。驚くことに1500年代から営業を続けているというバールや、伝統料理にこだわる老舗リストランテも多数。昼過ぎに起き出して、ワインを飲みながらメイクアップ。オペラ観劇後にリストランテで舌鼓…ヴェローナはまるで貴族のような時間の過ごし方が似合う町なのです。